jeudi 26 avril 2007
取るべきコースは ・・ JG氏の薦め
どのコースを登録すべきかについてJG氏に確認のメールを2週間ほど前に出しておいたが、その返事が今日届いていた。そのメールによると、
Domaine : Sciences humaines et sociales
Mention : Philosophie
Specialité : Logique, Philosophie, Histoire, et Sociologie des Sciences
「科学の論理学、哲学、歴史学、社会学」 となっていた。それ以外は私の興味の外なので書類は提出済みであったが、返事を受け取り、とにかく忘れられてはいないということを確認できたことが大きな収穫である。
先日から集め始めた関連文献を少しずつ読んでいる。今まで気にはなっていたが、実際の科学に忙しく手が回らなかったものばかりなので、不思議な感慨が湧いてくる。例えば、あの苦しんでいた時期に、この領域ではこんなことが問題になっていたのか、というような。時間に沿っての景色が重層的に見えてくる面白さといってもよいかもしれない。
mardi 24 avril 2007
Master のプログラムを見る
私が希望している大学のサイトから Sciences humaines et sociales のプログラムを取り出してみる。パリの4つの大学 (P1, P4, P7, ENS) が参加して構成されているそのコースは、私のために準備されたかに見えるほど、こちらの求めるものに溢れている魅力的なコースである。アメリカの大学は全く調べていないが、少なくともヨーロッパではここにしかないというこのサイトの宣言が、満更自己宣伝だけではないと思わせてくれるくらいである。
その中に参考文献が紹介されているものもある。プログラムは昨年のものだが、こういう分野である、1年の違いなどほとんど意味がないだろう。自然科学の分野との大きな違いだ。そこには今までに名前だけ聞いたことのある人、全く聞いたことのない人などが並んでいる。不可能であることはわかっているものの、そのすべてを知りたくなってくる。まさに、パスカルの "peu de tout" (すべてを少しずつ) の世界である。これまでに感じたことのない純な好奇心が、尽きることなどないかのように溢れてくるのだ。どうしてこれほど惹かれるのだろうか。その理由はわからない。それは、あたかも人間存在についての興味がこれまで気付かないうちに静かに溜り続け、今堰を切って溢れ出してきたかのように見える。早くこれらの人々とともに歩むことができる環境に身を置きたくなっている。
ところでフランスの大学教育のシステムが、少なくとも私にはわかりやすく変わっていることに気付く。LMD というシステムで、Licence, Master, Doctrat の頭文字をとったもの。バカロレアの後、順調に行けば、それぞれ3年、2年、3年で修了することになっている。EUの他の大学との交流を可能するためのようである。ただ、Licence と Master は以前は年単位だったようだが、LMDでは Semestre 制を導入。1年を2学期に分け、それを順次クリアしなければ上に進めないことになっている。私のようなのも含め、いろいろな学生が来ることを予想してのことなのだろうか。学生にとっては大変である。
jeudi 19 avril 2007
哲学を 「学ぶ」 とは
一般的に言うと、私はこれから 「フランスで哲学を学ぶ」 ことになるかもしれない。このことにどういう意味があるのだろうか。おそらく、「哲学を学ぶ」 という表現に問題があるのかもしれない。哲学を学ぶということがそもそも可能なのか。哲学を学ぶということは、哲学することとは別のことだろう。では、なぜフランスでそんなことを・・・
私の中ではこういうことのようだ。これまでに存在した人間が考えてきた軌跡を辿り (おそらくこの過程が学ぶということになるのだろうか)、自分と響き合うものを持った人を捜し求める場にしようとしているようだ。自らの感覚器を研ぎ澄まし、相手が放つものを捉える作業を通して、私の中にすでに存在している思想を生き返らせ、新たに誘発される思考を追いながら、それに陰影を加え、少しでも自分らしいものを創出できないかということになる。今ぼんやりと自分の中にある考えをより確かなものとして見えるようにしたいという強い願望があるようだ。
それでは、なぜフランスなのか。それは自分の感覚器が最も鋭敏に反応するようになる環境が現時点ではフランスだからだ。将来のことはわからないが、今この時に自らを最も感度よく反応させることができる環境がフランスだと結論しているからである。そして、自分のどこかと共振する何かを持っている人を長い人類の歴史の中から発見したいという想いが強い。これらの作業を、デカルトがそうしたように覆面をして進めて行きたい。最後までそうできれば最高だろう。
dimanche 15 avril 2007
書類を締切日に発送
先週の水曜から始めた書類の準備のうち、問題は高校や大学の卒業証明書、成績表とその英訳。英訳には普通3-4日から1週間かかるという。決まったフォーマットに単純に言葉や数字を入れ替えるだけではないのかと思うのだが、送られてこないのだから致し方ない。集める前には戸籍抄本とその仏訳が一番時間がかかると思われたが、APEFの方が1日で処理してくれ、一番早く片付いた。締め切りには間に合いそうもないので Maison Internationale に問い合わせのメールを出す。揃ったものから出した方がよいのか、まとめて出した方がよいのか。返事が来ない。いつものパターンである。そういう時はどちらでもよいということだろうと判断してすべて揃ってから出すことにした。そして締め切り一日前にすべてが届き、とにかく発送することができた。その中の成績表を眺めていると、余り勉強していなかった学生時代の様子が目の前に現れていた。
これから最終決定の出る6月まで待機の状態となる。
dimanche 8 avril 2007
提出書類の準備
先週水曜に、向こうの Maison Internationale から必要書類を4月15日までに提出するようにとの連絡が入った。あと10日くらいしかない。調べてみると登録書類を取り寄せる締め切りが3月15日になっているので、そもそも書類が手に入らない時期の申請ということになる。JG氏の配慮に感謝すると同時に、ある意味運命的なものを感じる。早速、外からもらう必要のあるものを依頼する。昨日、DALF-C2のディプロムをもらうために日仏学院に寄ったついでに、坂を上ったところにある EduFrance (フランス政府留学局) のオフィスに入る。向こうの大学の様子を聞くためである。日本語を完璧に話すフランク・ミシュラン氏に懇切丁寧に対応していただいた。
まず、書類を出した中で実際に受け入れられる可能性はどのくらいなのか確かめてみた。彼によると、Master の場合は指導教官がOKを出していれば、入学自体はほとんど問題がないという。少し安心する。問題は必要書類をしっかりと期限までに提出すること。参考までに必要書類を列挙したい。
1) Lettre de motivation
2) Projet de recherche en 2-3 pages (uniquement pour le M2 Recherche)
3) Photocopie de votre diplôme de fin d'études secondaires et de sa traduction
4) Photocopie des diplômes obtenus ultérieurement ainsi que leurs traductions
5) Photocopie du relevé de notes ou du livret d'études année par année et sa traduction
6) Extrait d'acte de naissance
7) Lettre de recommandation d'un professeur
8) Pour les non francophones : attestation de réussite au
- Attestation du Service Culturel de l'Ambassade de France
- ou Test de Connaissance du Français (TCF) niveau C2 (épreuves obligatoires et facultatives)
-ou DALF complet
9) Un curriculum vitae
10) Deux enveloppes libellées à votre nom et adresse personnelle plus 2 coupons réponses internationaux si vous résidez à l'étranger
- une au format 210 x 297 mm
- une au format 220 x 110 mm
1)志望理由などを書いた手紙
2)Master 2に入る場合は研究テーマ(2-3ページ)
3)高校の卒業証書とその翻訳
4)最終学歴証明書とその翻訳
5)成績表とその翻訳
6)戸籍抄本
7)教授の推薦状
8)フランス語が外国語の人は、フランス大使館の証明書か、TCF-C2あるいはDALF-C2を持っていること
9)履歴書
10)封筒 (210x297 mm と 220x110 mm) と国際返信クーポン2枚 (150円x2)
この中の戸籍抄本について、大使館認定のところで訳してもらったものを大使館で認証してもらう必要があるのかどうかを聞いてみると、彼は言下にそうしなければ駄目と言う。締切は、この日曜日 (4月15日)。抄本を取り寄せ、訳してもらい、さらに認証となると時間的に間に合いそうもないので、、との問には、メールでは返事が来ないことが多いので Maison Internationale と電話連絡を取り、その旨伝えておいた方が安全とのこと。
この1週間ですべてを片付けなければならない。いずれにしても外からのものの戻り方次第になる。Lettre de motivation については、研究テーマの可能性を含めて先週月曜にすでに提出しているので、それを少し修正すれば出来上がるだろう。教授の推薦状だが、私の場合は指導教 授はすでに物故されているので、私の友人YH氏にお願いすることにした。その旨、理由をつけて送ることになる。フランス語のレベルについても何か偶然を感じてしまう。去年秋にDALF-C2を受け、幸運にも合格していたからだ (仏検の資格はこの場合には役に立たないのかもしれない)。それがこういうところに結びついてくるとは、その時は全く予想もできなかった展開だけに不思議 を感じている。
これは余談だが、EduFrance オフィスの雰囲気がいかにもフランス!で、足を踏み入れた途端に気分がよくなった。お相手をしていただいたミシュラン氏とはフランス文化・日本文化などの本題以外の話に盛り上がり (私の中では)、20-30分くらいは雑談をしていたようだ。何か必要なことがあれば連絡してくださいとの言葉に心を強くして坂を下っていた。
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31 mars 2009
フランス政府留学局からメールが入り、場所は以前のままだが、名称が EduFrance から CampusFrance に変わったことを知る。
サイトは http://japon.campusfrance.org となっている。
lundi 2 avril 2007
JG氏からの連絡
日本に戻ってから会合などの準備に忙しく、フランスに手紙を出す余裕がなかった。そして、帰国後1週間経った本日、やっとその手紙に取り掛かる時間ができた。"Lettre de motivation" と言われるものの中で、これまでに私の中で起こってきた変化やなぜこのようなことをやりたいのかということをまとめている最中に、予想もしなかったことが起こった。私がパリ滞在中に訪ね、秘書の言葉に促されて書類だけを置いてきたところがあったが、そこの JG教授から英語でメールが入ったのだ。そこには、次のようなことが書かれてあった。
「今学会から帰ったところであなたの書類を見た。これまであなたがやってきた自然科学から哲学へという道は興味深いが、一体どういう動機で、何を、どういう立場でいつからやりたいのか、などあなたの考えを知らせてほしい」
このメールを読みながら、不思議なものを感じていた。そして、この広い世界にはこのような異分野の者を受け入れようとしてくれるところがあるのか、ということに感動さえ覚えていた。これで手紙を書く集中力が一気に高まる。すぐにまとめて送ったところ、翌日には返事が来た。そういう考えであれば私としては Master として受け入れることは可能だ。特に哲学の分野では最先端の科学を取り入れながら進めているのでその方針にも合う、というありがたいお言葉。さらに、秘書にフランス語で連絡して登録に必要となる書類を提出すること、6月にすべての登録者について審査して最終決定する、というものであった。
それから秘書に連絡を取ろうとして連絡先を探している時に、再び驚くべきことが・・・。Maison Internationale という留学生を相手にしているところからメールが入り、必要書類一式のリストなどを知らせてきた。JG氏が秘書に話をして、そこから Maison Internationale へ連絡が行ったものと思われる。この間僅か一日である。フランスとのメールのやり取りでこれほどレスポンスがよいことは皆無である。その時の流れに快感、そして運命を感じていた。
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