mardi 1 avril 2008

初めての内科検診 ― フランスで哲学とは・・・ "Etudier la philosophie en France, c'est fantastique!"


こちらに来て初めての内科検診に出かけた。数週間前にネットでランデブーの予約をしたところ、すぐに電話がかかってきて診察日を確認するという手順であっ た。当日は全身状態と血液検査を希望している旨を伝え、日本ではこのところやられたことがなかった聴診、打診、触診などの全身検査と血圧測定などをされ る。臨床検査はこちらでは病院とは別にあるラボラトリーでするシステムのようで、検査項目が書かれた処方箋を受け取る。丁度絶食状態 (à jeun) だったので、院内にあるラボラトリーで採血をしてもらって帰ってきた。この結果は後日先生のコメントともに郵送されてくるとのこと。細かい話になるが、私の場合保険がきかない状態で、診察が約100ユーロ、検査もほぼ同額であった。医療の現場を少しだけ覗いたという感じだろうか。

ところで問診の最後に、先生が「こちらではお仕事を?」と聞いてきたので仕事はしていませんと答えると、すぐに「それは素晴らしいですね」と返してきた。何もしない状態が素晴らしいというよりは、ここでも何度か取 り上げている仕事の持つ意味を理解している様子が伺えた。私がさらに、今大学で哲学を勉強していると伝えると、「フランスで哲学を学ぶなんて最高ですね」 というコメント。彼が本当にそう感じているのがはっきりとわかったので、これを聞いた時には不思議な(ほんの少しだけ感動が混じった)感覚が押し寄せてい た。フランス人が自らの哲学を取り巻く文化を冷静に評価し、その状態を客観的に捉えている様子を垣間見たと感じさせる言葉だったからだろうか。フランス哲学に誇りに思っているようにも、自分でもやってみたいと考えているようにも受け取れた。そこには浮ついた印象が全くないのである。そしてこう付け加えるの を忘れなかった。「しかもあなたのようなお年で・・・」

帰り道、私が彼と同じ立場にいて、私のような外国人が来た時に「日本で(・・・)を学ぶなんて最高ですね」の空白に何と入れればよいのだろうかと考えていた。

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少し前までは午後6時を過ぎると薄暗くなっていたのに、夏時間の影響で一気に春が巡ってきたという感じで、8時過ぎても明るい。明るい夜はなぜか気分がうきうきする。これから夏まで心が開く季節になりそうである。


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