jeudi 6 décembre 2007

そろそろ真剣に



先週末を迎える辺りから、そろそろ真剣にミニメモワールに向き合わなければ、と思い始めている。そのせいか、図書館に篭ることが多くなっている。家にいる時には出てこない考えが時々飛び出すので、たとえ1-2時間でも時間があれば行くようにしている。ほぼ日課と言ってもよいだろう。以前にも触れたが、こちらに来てから仕入れたフランス語用のパソコンを持参している。日本語版ではなかなか進まないものでも、このパソコンに向かうと少しは違うようだ。日本語が消えて、甘えがなくなる。それとタイプが圧倒的にやりやすい。問題は何をそこに叩き込むかということなのだが、まだ固まっていない。やっているうちに突然まとまりがついてくることはないだろうかなどという淡い期待を抱きながら、今のところはとにかく出てきたことを控える作業をしているのだが、、、。

私の場合、最初から完成された文章を書くというタイプではないことはわかっているので、不完全でもよいから書き進むことが重要なのだが、どこかに完成度の高いものを最初から狙うところがある。その途端に、全く前に進まなくなるということを何度繰り返してきただろうか。未だにその癖は直っていないようだ。


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先日のParis1での講義の前、初めて男子学生が声をかけてきた。一体あなたはどういう人なのか、どこから来たのか、ここにどのくらい住んでいるのか、などという尤もな質問である。全く新しい環境に入った時、特にどこから来たのかと聞かれる時にいつも感じるのは、自分の存在がどんな意味をも持ち得るという、不安定だがある意味で囚われのない感覚である。そこでそれまでの存在を引きずるのか、新たな意味を見出そうとするのかで全く違った展開になるだろう。新たな意味を見出そうとする時、それまで自分でも気付いていなかった自分が顔を出すことがあるので非常に興味深いのだ。

彼はオランダで1年間フランス語を教えた経験があるという。外に出て、ものを見たことのある人や決まり切った道から少しでも外れた経験のある人は知らない人に声をかけるということに余り違和感を感じないようだ。3ヶ月を過ぎたところだと答えると、それは大変でしょうね、という反応であった。自分の中ではもう1年くらいの時間が経ったような印象もあったので、3ヶ月という数字を発して驚いていた。このクラスには、カナダのトロント大学で社会倫理や環境の問題を研究している女性研究者も加わっていた。残念ながらトロントは英語圏なの、とのこと。数週間の滞在予定。


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昨日のENSのクールでは、物理学者シュレディンガー (Erwin Schrödinger) を取り上げ、物理や化学の原理が生物学に応用できるのか、物理学と生物学の違いや共通点などを考察していた。一つの題材として彼の著書 「生命とは何か」 についても話していた。その中に、ライナス・ポーリング (Linus Pauling)、マックス・デルブリュック (Max Delbrück)、マックス・ペルーツ (Max Perutz) などが出てきた。そのペルーツはX線解析による立体構造解析を始めて20年もかかって仕事を仕上げたが、その間、僅か一つの分子 (ヘモグロビン) しか扱っていなかった。彼の精神力にはほとほと感心してしまう。彼らはノーベル賞を貰っている。ポーリングや フレデリック・サンガー (Frederick Sanger) に至っては2回もその栄誉に浴している。皆さんの中にも将来そうなる人がいるかもしれませんね、などと静かに話していた。励ましの言葉なのだろう。それを聞いていても、全く非現実的な感じがしないから不思議だ。どっしりと落ち着いている。



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