mardi 8 janvier 2008
新年、動き始める
大学は今週から新年が明けて動き出している。昨日は、仮の滞在許可証 récépissé というのを申請に行った。仮であることがわかったのは、いつもの通りすべてが終った後であったが。今回で1年間有効なものが手に入ると思っていたからだ。もらって帰ってから許可証をじっくり見て、初めて3ヶ月しか有効でないことに気付く。いずれ健康診断をして正式のものが手に入ることになっているが、フランスらしく3ヶ月以内に連絡が来るという保証もないという情報も入っている。
今日は私の大学初日だった。朝8時半に指導教授とのこちらに来て初めてのランデブーがあった。こちらは相変わらず朝が暗いが、その中を行く時なぜか誰も歩いていない土地を自分が初めて道をつけているような気になるから不思議だ。顔合わせの目的は1年目の論文をどう進めるかだが、まず私の考えているテーマについて10ページほどにまとめるようにとのことだったので、その原稿を持って行った。来週その内容について検討することになる。
今日の科学史のクールでは、4種の動物について記載した文章を4つ紹介し、それぞれが発表された年代順に並べるという想像力の訓練があった。動物をどのように形容しているのかを元に考えるということになるのだが、、。解剖や生理の知識を思わせるような記載があったり、他の動物との比較を主にしているものがあったり、動物そのものを記載しようとしているよりは、ある道徳や宗教観を教えるための喩えとして動物を持ち出しているようなものがあったり、動物に人間の性格を見ているようなものがあったりで、表現の微妙なニュアンスから著者の性格まで想像したりと、結構面白い試みであった。あとでその著者が紹介されたが、アリストテレス、ビュフォンの他、12世紀やルネサンス期の博物学者であった。こういう話を聞く時はいつも、日本では別世界の人か想像の世界の人と言ってもよいアリストテレスやビュフォンなどが非常に近い存在として迫ってくるので驚く。私でもそうなのだから、彼らにとっては自分の先祖くらいに感じているかもしれない。その辺のおじさんのような感じで論評を加えている。如何ともしがたい科学の歴史や伝統の重さを感じてしまう。
ところで前期がもう少しで終ることになる。私は今週が最後ではないかと思っていたのだが、学生の皆さんもよくわからなかったようで先生に質問していた。驚いたことに先生もよくわからず、討論していたりする。こういうところは何とも言えず、よいのである。
前期の終わりといえば、ミニメモワールを出さなければならないのだが、さっぱり筆が進まず困っていた。しかし、この日曜の夕方からやーっとその気になってくれた。1週間で3論文という厳しいことになり、時すでに遅しの感も拭えないが、とにかくできるところまでやるようにと自らに言い聞かせている。今は、その自らが言うことを聞いてくれることを願うばかりである。
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