パスツール研究所でのメチニコフ・ノーベル賞受賞100周年記念シンポジウムで出会った。
シンポジウム初日の最後に、顕微鏡写真の開発者である彼の人生と実際に撮った映像が紹介された。今やフランスでも余り知られていないという。簡単にその人生を振り返ってみたい。
1902-1906年、リサンスでは科学を勉強。
1904年にはパスツール研究所で微生物学のコースとをる。
1906-1909年、医学を学ぶ。そこで顕微鏡に触れ、ダストゥル(Dastre)の元での学位研究では梅毒の病原体であるトリポネーマを取り上げ、その動きを捉えるために毎秒12-15コマで撮影することを思いつく。
1909-1914年、シャルル・パテ(Charles Pathé)の力添えで、ヴァンセンヌの顕微鏡撮影の会社に勤める。
1909年、科学アカデミーにおいて、彼の上司ダストゥルが各種病原体の顕微鏡フィルムを紹介した際にコマンドンの名前を出す。その場にいたパスツール研究所所長のエミール・ルー(Emile Roux)は、彼にパスツール研究所での上映を頼む。
1910年、科学アカデミーでトリポネーマの貪食の映像を紹介する。
1914-1918年、戦線に出る。
戦後、再びヴァンセンヌで仕事を始める。
1926-1929年、そこを辞めた後、アルベール・カーン(Albert Kahn)のところで仕事を続ける。
1932年、エミール・ルー等の誘いで、パスツール研究所のシネマトグラフィー室長に就任。 1966年、89歳で引退するまで映像を取り続ける。
彼は、メチニコフと同じくパリ郊外のセーヴル(Sèvres)に住んでいたという。その地で93歳の生涯を閉じている。医学そのものの研究から離れ、映像家としての道を最後まで歩んだ人生と言えるだろう。いいお顔を拝むことができた。
紹介された映像は今では珍しくないが、当時としては画期的なものだったに違いない。植物が花開く様、細胞や病原体の動き、寄生虫が貪食される様子など、今見ても古さを感じなかった。最近の研究ではそれまで忘れられていたかに見える時間的、空間的な観察が取り入れられ、このような動画を見る機会が増えている。 ある意味では1世紀を経て、彼と同じ発想が蘇っていると言えるのかもしれない。
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アルベール・カーン美術館 le musée départemental Albert Kahn
14 rue du Port, 92100 BOULOGNE-BILLANCOURT
シンポジウム初日の最後に、顕微鏡写真の開発者である彼の人生と実際に撮った映像が紹介された。今やフランスでも余り知られていないという。簡単にその人生を振り返ってみたい。
1902-1906年、リサンスでは科学を勉強。
1904年にはパスツール研究所で微生物学のコースとをる。
1906-1909年、医学を学ぶ。そこで顕微鏡に触れ、ダストゥル(Dastre)の元での学位研究では梅毒の病原体であるトリポネーマを取り上げ、その動きを捉えるために毎秒12-15コマで撮影することを思いつく。
1909-1914年、シャルル・パテ(Charles Pathé)の力添えで、ヴァンセンヌの顕微鏡撮影の会社に勤める。
1909年、科学アカデミーにおいて、彼の上司ダストゥルが各種病原体の顕微鏡フィルムを紹介した際にコマンドンの名前を出す。その場にいたパスツール研究所所長のエミール・ルー(Emile Roux)は、彼にパスツール研究所での上映を頼む。
1910年、科学アカデミーでトリポネーマの貪食の映像を紹介する。
1914-1918年、戦線に出る。
戦後、再びヴァンセンヌで仕事を始める。
1926-1929年、そこを辞めた後、アルベール・カーン(Albert Kahn)のところで仕事を続ける。
1932年、エミール・ルー等の誘いで、パスツール研究所のシネマトグラフィー室長に就任。 1966年、89歳で引退するまで映像を取り続ける。
彼は、メチニコフと同じくパリ郊外のセーヴル(Sèvres)に住んでいたという。その地で93歳の生涯を閉じている。医学そのものの研究から離れ、映像家としての道を最後まで歩んだ人生と言えるだろう。いいお顔を拝むことができた。
紹介された映像は今では珍しくないが、当時としては画期的なものだったに違いない。植物が花開く様、細胞や病原体の動き、寄生虫が貪食される様子など、今見ても古さを感じなかった。最近の研究ではそれまで忘れられていたかに見える時間的、空間的な観察が取り入れられ、このような動画を見る機会が増えている。 ある意味では1世紀を経て、彼と同じ発想が蘇っていると言えるのかもしれない。
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アルベール・カーン美術館 le musée départemental Albert Kahn
14 rue du Port, 92100 BOULOGNE-BILLANCOURT
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