学生時代に知った通称パリ管。その定期会員募集のポスターがメトロで目に付いた。今までであれば目もくれなかったであろうポスターだが、試験後の解放感からかそのサイトを覗いてみた。パリ管ことパリ管弦楽団 (Orchestre de Paris) は1967年に創立されているので、2007-2008年は創立40周年のシーズンになる。興味深い映像があるので、いくつか紹介してみたい。
創立時の興奮が伝わる1967年の映像には、フルートのミシェル・デボスト(Michel Debost, 1934-) のオーディション風景があったり、初代の主席指揮者になったシャルル・ミュンシュ(Charles Munch, 1891-1968)のインタビューと初回のリハーサルから燃え盛るような (解説には totalement enflammé とある) その指揮振りが出てくる。インタビューで、以前にボストンで仕事をされていましたが、と聞かれた彼は、日本人であれば胸でも張るところだろうが、「ええ、15年もいましたよ」と何ともいえない様子で答えている。そしてフランスの音色について熱く語っている。彼が亡くなる1年前の76歳の時の貴重な映像である。彼の語る生の声を捉えることができるようになった今、急に近い存在に感じ始めるから言葉の力は恐ろしい。
Munch et la création de l'Orchestre de Paris (17/11/1967)
それからこれも懐かしいカール・ベーム(Karl Böhm)によるドボルジャークの新世界のリハーサル風景がある。こちらもどういうわけかベームが亡くなる1年前の86歳の時のもの。ここにもミシェル・ドゥボストがインタビューに答える姿が出てくる。このような形で直接の声を聞くことになるとは、これもフランス語のお陰だろう。そしてベームのフランス語が何ともかわいらしく聞こえてくる。
Karl Böhm répète la Symphonie du Nouveau Monde
Répétition de l'Orchestre de Paris (13/03/1980)
もう一つは、ミュンシュの後を継いで音楽顧問を務めた当時63歳のベルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989)が今主席指揮者になっているクリストフ・エッシェンバッハ(Christoph Eschenbach, 1940-)と演奏している姿が見られる。よもやあのような変身を遂げるとは予想もできなかった若き日のエッシェンバッハの映像である。
Concerto pour trois pianos de Mozart (25/12/1972)
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