mercredi 20 février 2008

エネルギー戻る



昨日は待望の電気が戻る日であった。先日の連絡ではインターフォンで連絡できますよ、と言っておいたのだが、よくよく考えてみると電気がないのでそれができないことに気付く。いつものようにこのタイミングで。仕方なく15分ほど前から外で待つことにした。予定の時刻になっても人が来ないので電力会社 (EDF) に電話すると、4時間の幅で現れることになっているという。そんなことであればこの日にはしなかったのに、と食い下がっている時にタイミングよく2人が現れてくれ、お互いの声の調子が一気に和やかになった。そして彼らのお陰で6日間に及ぶ問題が一瞬にして解決した。ほっとした、というのが本当のところだろう。

それからフランス語のクール (FLE) のためにTolbiacへ。ここは教養学部のようなところで、他の校舎からは感じられない猥雑さとエネルギーが溢れている。今日の写真はそこで目に入ったもので、フランスでなければありえないような (日本では考えられないような) 学生寮を求めるポスター。実は先週土曜に登録してあった教室に行ったのだが、これがキャンセルされていた。折角なので丁度やっていた別のクールに顔を出し、条件法の復習をやってきた。その時に、火曜に別のクールがあることを知り、出かけたという訳である。おそらく私より少し若いくらいの女性教授が担当。始る前に登録用紙が配られ、専攻と生年月日を記入して手渡すと、彼女は何ともいえない顔で、にやっとしていた。私の年齢を見た時の先生の反応を見るのがこちらに来てからのひとつの楽しみになっているようだ。ちなみに、この日のテーマは接続法であった。その中で、接続法を用いて嘆願するという設定の下に作文するという課題が出された。それを隣の2-3人とグループを作って共同作業でやるのだが、私の隣はラテンの国から来たおそらくリサンスの女子学生さん。なぜか楽しい時間となった。彼女たちの作文する様を見ていると、自分たちの言葉に少しだけ手を加えているという風情で、何とも羨ましい限りであった。ただ、彼女たちにしても街に出て店員などと話をするとすぐに英語で答えが返ってくると言って不満気であった。私などはいつも経験していることだが、、、

夜には指導教授とのランデブーがあった。先日提出したメモワールの中間報告についてのディスカッションのためである。この機会にその原稿を読み返してみたが、ざっと見ただけでもいくつか単純な文法的な誤りが見つかったりする。やはり、終了直後だと客観的な視点を持てないようだ。次回からは締め切り1週間くらい前に一度終えてから時間を置いて見直すということをしないと駄目だろう。今回はあれで精一杯だったので、致し方ないような気もしているが。ランデブーではいくつかの問題点を指摘されたが、それは自分でも充分にわかっていることなので反論の余地はないであろう。コメントを考慮に入れて校正することになった。さらに、私が持っている基本的な疑問についても話をしたところ、その点についても1週間くらいでまとめるようにとの話になった。これは1週間というような短期間ではなく、年単位のことで考えていたので少々驚いたが、今はどんなことも苦痛に感じない不思議な精神状態になっている。

仕事の話の後雑談になったが、その中でフランスの大学人の考え方に触れたように思った。これは先日の記事とも関連するので、一教授の考えではあるが紹介しておきたい。まず驚いたことに、フランスの大学の状態を見ると dépressif になるというのだ。フランスでは大学自体が特別な存在、選別された、そのためやや差別的な(くらいに優遇された状態にあるという意味だろうが) 立場にあるため、保守的な傾向が非常に強く、変化や活力に乏しいと見ているようだ。それを強く感じたのは、アメリカで生活してアメリカの大学に貫かれている平等の精神を体験した時だという。それは大学のシステムを平等精神で動かすように努めているという意味と、フランスに比して大学が外に開かれているという意味が含まれているのだろう。そして、その考えをフランスの大学にも導入したいような意向を持っているように見受けた。私がフランスの大学のクラシックなスタイルが気に入っており、活力と霊感を得ていると言うと、少し驚いた様子であった。そして、私のように退官してまでこのような道に入る人がいるということは、大学にいる人間にとっても何らかの影響があるのではないか、という言葉をかけてくれた。ご本人の退官後は音楽に打ち込みたいとのことであった。話をしているうちに、これから何かが始るのだという感触を強く持つことができた、よいランデブーであった。



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