vendredi 2 mars 2007
いつからそういう想いが芽生えていたのか?
最初にフランスに住んで何かをしてみたいという思いを感じたのは、いつ頃だろうか。おそらく2003年7月のことではないかと思う。フランス語に出会ってから2年目のことである。その時、1週間だけパリに滞在する機会があり、午前中を語学学校でのフランス語学習に、午後を仕事に当てるという計画を立てた。学校では、グループ学習と2-3回の個人授業という構成にした。まだフランス語との付き合いも真剣なものではなかったので授業は大変であったが、いかにもフランスという教室は解放感があり、そこで聞くフランス語は美しく感じた。グループには、ブラジル、オランダ、スイスからの3名、パリ滞在中の日本の方と私の5名。彼らとの語らいは気持ちのよいものであった。個人授業では自分の周りと頭の中が完全にフランス語で溢れ、まるでフランス語の海に溺れているような感覚に襲われていた。そして、その思いはこの個人授業で中年の女性教授と話をしている時に浮かんできた。
外国に行くと、しばしば自分の中に眠っているものが吹き出すことがある。外国にいる間だけ、自分の頭の中に生きている錯覚に陥ることがしばしばである。彼女はその時、なぜフランス語を始めたのですか、さらに続けて、こちらで仕事をしたいのですか、という質問をしてきた。この二問目の質問が私に大きな変化を与えた。それはそれまで考えてもいなかったか、あるいは心のどこかにその芽はあったのだが不可能だろうと決め付けて考える範囲の外に置いていたことであった。しかし、何気ない調子で発せられた彼女の言葉の中に、フランスでの仕事を不可能と考える理由など何もない、ありえないことなど何もないことなのですよ、という空気を感じてしまったのだ。それで咄嗟に、できればこちらで仕事をしたいのですと答えていた。これには自分でも驚いていた。さらに彼女は続けた。午後は仕事と言っていますが、それはこちらで就職先を探しているのですか、などと先走ってくる。この問にはもちろん NON と答えたが、それも面白いかもしれないなどと、その考えを遊んでいた。
学校が終わり、日本に帰る。そして、夢の世界からいつもの日常に戻ってくる。その日常に埋もれているうちに、実現性のないその話は頭の底に沈み、そのままになっていた。
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