vendredi 27 juillet 2007

Les fantômes de Goya ― Pascal Paoli ― Ulrich Mühe



少し時間ができたので、新しい映画でもと思ってみたが、今回は見たいと思うものがない。先日テレビで紹介されていた Milos Forman の Les fantômes de Goya という映画が2日前に封切りになったので見ようかと思っていた。ところが今日の Le Figaro の評がかなり酷い。

ゴヤに霊感を受けているのはわかるが、扱っているのはゴヤについてではなく、当時の宗教裁判 l'Inquisition に纏わるものがテーマでゴヤはその目撃者のように見えるというのだ。作者は、おそらくオスカー・ワイルドの 「人生を模倣するのが芸術ではなく、芸術を模倣するのが人生だ」 "Ce n'est pas l'art qui imite la vie. Mais la vie qui imite l'art." という言葉に触発され、ゴヤのおぞましい絵に人生を重ね合わせて描いたのではないかと皮肉っている。この批評のタイトルは Rien sur Goya となっている。評は評として、時間があればこの目で見てみたい。

Le Figaro の文化欄に、コルシカ島の美術館で初めて耳にするパスカル・パオリという人の没後200年の展覧会が開かれているというニュースが出ている。コルシカ島という名前を聞くと、昔通っていたフランス語学校に夏休みを利用してコルシカ島から大学生が教師として来ていて、その教え方が非常にしっかりしていたこととその素朴で親しみ深い人柄を思い出す。その印象が残っていなければこの記事を読もうとは思わなかっただろう。

 Pascal Paoli (6 avril 1725 - 5 février 1807)

この人はコルシカ島の歴史上最も重要な人で、「コルシカ島の父」 とまで言われているにもかかわらず、フランスでは忘れられている存在。むしろ、イギリスやアメリカで重視されていて、アメリカでは彼やコルシカの名を取った町が少なくとも7つはあるという。1755年から14年間彼はコルシカ独立の先頭に立ち、その憲法はヨーロッパで初めての民主的なもので、特に、平等 l'égalité という言葉が死語となってはならないという彼の考えはアメリカの独立に大きな影響を与えた。フランスとの戦いに敗れた後はイギリスに亡命し、フランス革命時に一時帰国するもロンドンで亡くなる。この展覧会が、彼をコルシカのチェ・ゲバラとして捉える単純な見方を廃する機会になれば、、、と結んでいる。


3月のハンモックで取り上げた映画 La vie des autres (他人の人生) で主役を演じていた Ulrich Mühe さんがこの日曜日に癌のため54歳で亡くなったという記事が出ていた。映画と重なるような激しく、厳しい人生だったようだ。


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街を歩いている時に Les fantômes de Goya をやっている劇場があり、時間もぴったりだったので見ることにした。Le Figaro の評に影響を受けたわけではないと思うが、見終わった後に残る感動は少ない。エンディング・クレジットの背景に次々に映し出される彼の絵がなぜ描かれなければならなかったのか、というような問にはほとんど答えてくれない映画であった。ところで全くの余談だが、今回の旅で bière blanche が口に合うことが判明。一時的なものかもしれないが、、



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