samedi 3 octobre 2015

ヒポクラテスの観察、あるいは "Poétiques du corps" de Jackie Pigeaud

30 septembre 2008


Jackie Pigeaud (Né en 1937)  
professeur émérite de littérature latine à l'université de Nantes  


soutenance があった9月26日の午後、ル・モンドの中で出会った。古代に住んでいるというジャッキー・ピジョーさんはジェルファニョンさんのような方である。彼の著作の中で医学の起源という言葉が出ている本が紹介されていたので読んでみることにした。

Poétiques du corps. Aux origines de la médecine
(Les Belles Lettres, "L'Âge d'or", 2008, 706 p)

その最初の方にヨーロッパとアジアの違いが書かれている。しかも、その点についてすでにヒポクラテスも語っていたことを知る。

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  ヨーロッパとアジアは違う。それは明らかなことである。それは旅行する医者によって確認されている。ヨーロッパが根本的に他と異なっているのは、違いのある国だという点である。・・・
  差異の国、それがヨーロッパである。ヨーロッパに住んでいる者はアジア人とは異なっている。ヨーロッパ人の中に差異があるのだ。そしてアジアは類似の国で、ヨーロッパは差異の国。しかし、何がよいのだろうか?
  もしアジア人が美しく温和であるとしたならば、その代償があるだろう。ヒポクラテスは書いている。

『男性的な勇気も、疲労の中での忍耐も、労働での根気も、道徳的気力も同類の人間の中では育ち得なかった。土着、外来に関わらず、どんな人種においても。そして必ず快楽が他のすべてに勝るのである。・・・それがエジプト人であり、リビヤ人である』

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紀元前4-5世紀ですでにこのような違いの観察があることに驚いていた。この記述によるアジアはアフリカを指していたようだが、東の方でも同じだったのだろうか。なぜこのような違いが生まれたのか、興味深い。諸説はあるのだろうが、自らも調べてみたいものである。




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samedi 3 octobre 2015

科学から哲学に入って1年が経った頃。フランス語の世界にのめり込み、古代人の声を直接聞いているような錯覚に陥るこのような瞬間は甘美な時であった。これまでは名前だけで眠っていた人がすっくと立ち上がり語り始めるのである。

ジェルファニョンさん同様、ピジョーさんも古代に生きていて、それで満足しているのだろう。昔は想像もできなかったが、今はそれが理解できるようになっているだけではなく、そのような人生でも悔いは残らないだろうというくらいにまでなっている。

ピジョーさんの本で、ヒポクラテスが動き回っていたこと、そしてヨーロッパを差異の存在として捉え、それが生み出す人間的特質をこのように分析していたことを知った。それは、嬉しい出遭いであった。




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