samedi 13 octobre 2007

アンドレ・コント・スポンヴィルさんを聴く André Compte-Sponville



小冊子の広告を見て、彼の話を聞きに出かける。

André Comte-Sponville
(né en 1952)

彼の本は以前に Présentations de la philosophie を読み、その他にもいくつか手元にあるので、どんな人なのかを感じるために夜8時半からの会に出かけた。1時間半に及んだその会は、最近出した La vie humaine という彼の奥さんの?(クレヨン画)との共同作業のプロモーションのようなものであった。始る前に司会者の女性が会場で質問していたが、彼の本を読んだことのある人はほとんどいなかった。この会場も年配の人がほとんど。そういう観察をしている本人はその中に入らないとこれまで勝手に思っていたが、まさにその中の一人であることに今日気付く。

彼の書いているところから想像していた人とは全く異なり、世俗の匂いがぷんぷんするエネルギッシュな人という印象を持った。Wikiによると1998年までパリ第一大学で教えていたようだ。会は司会者が本の短い引用をした後、彼の考えを誘導するというかたちで行われた。今回の本はやさしく書いた一般受けを狙った本である。しかし、哲学書にはその難易によってヒエラルキーがあるということはない、と注意を喚起していた。この本は彼の人生を振り返り、自身の哲学を語ったもののようである。若い時はキリスト教徒で、作家、小説家を目指していたらしいが、17‐8歳で哲学がずっと面白いと思い、進路を変える。最近の本にもあるが今は無信仰とのこと。彼にとってはギリシャ哲学がよき母であり、真理こそが悦びをもたらすと考えている。このブログの頭にも掲げているスピノザの考えにも通じる。彼の母親は悦びを見出せずに自殺したと話していた。生、幼年期、愛、家庭、仕事、子供、死というようなテーマが取り上げられているようだ。

一緒にいること、一緒に何かをすることは悦びをもたらす。しかし、誰も自分のためには生きてくれない、楽しんでくれない、苦しんでくれない、死んでくれない。

 On vit, jouit, suffre, meurt tout seul.
 Personne ne peut vivre, jouir, suffrir, mourir à votre place.

ただ、solitude と isolement とは区別しなければならない。前者は他者との関係を持っているが、後者はそれを絶ってしまうことになるからである。seul でいながら、vivre ensemble できること。deux solitudes mais vivre ensemble。それほど新しいことではないと思うが、これが最後のポイントであった。



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