mardi 9 octobre 2007

本日第一講



この写真はパリの夕暮れではない。大学の教室から見たパリの夜明けである。今朝、8時から始る講義のために6時起床で、6時半には漆黒の街に乗り出す。朝のメトロは静かで快適である。読み始めた本に目を通すがよく入ってくる。1時間ほどで目的地に着く。メトロを出ると空には上弦の月と明けの明星が輝いている。大学に着いて空いている教室から撮ったのが、今日の写真。大変なことをしているなと思いながら。

今セメストル最初の講義はラテン語である。何も知らない人用のコースと銘打っていたので、のんびりと出かけた。教室の雰囲気には全く違和感を感じなかった。おそらく、これまでに閑を見て通っていたフランス語の学校とほとんど同じ雰囲気だからではないかと考えていた。このコースはパリ第一大学の学生対象だが、専門はまちまちである。中に同年代?の男性がいたので話してみると、歴史学のリサンスを取るのだという。いろいろと力づけてくれた。他はバリバリの学生である。全体で20人くらいだろうか。先生は機関銃のようにイタリア訛りのフランス語を繰り出す。ラテン語の発音はフランス語よりイタリア語がより近いらしい。この先生の横顔を見ている時、初めてのような気がしなかった。私がその昔ボストンにいる時に一緒だったフェローのJKと全く同じプロフィルなのである。彼の名前は講義の後街を歩いている時にやっと出てきた。これは余談だが、radio classique で曲を紹介してくれる男性の声を聞いて、私がアメリカにいた当時スポーツキャスターをしていた人 (NBC?にいた後、ESPNに移ったような気がしているのだが、、、もう亡くなっているかもしれない) を思い出した。声質が全く同じなのである。その名前が2週間経ってもまだ出てこないが、是非思い出したいと思っている。

講義はこんな具合に進められた。まず、ラテン語とはどういうものか、その歴史を含めて説明する (文章を読んでいた)。周りではそれを書き取っていたようだ。それから文字と発音を説明。それが終ると、いきなり格 (le cas) が出てきてびっくりする。

Nominatif
Vocatif
Accusatif
Génitif
Datif
Ablatif

しばらく何のことかわからない。予想と全く違う大荒れの展開になった。この説明を少しだけした後、フランス語の文章1ページを渡され、学生がそれを一文ずつ読み、先生の言う単語がどの格にあたるのかを、次々に答えさせられる。フランス語の意味を理解する閑がない位の (全員フランス人なのでその必要はない) 非常によいテンポでやられるので、答えるのは大変である。変な舌を持ったやつが混じっているなと思われたことは必定だろう。これをやっている間、5-6回私に順番が回って来た。

これが終ると、今度はラテン語を黒板に書き、それについて先生が同様の説明をした後、ラテン語のプリントが回ってきて、それをフランス語に訳すと同時に、各単語の格を言わされる。学生さんの中にはりセでラテン語をやってきた人もいて、皆さんすらすらとやっていたようだ。私に言わせていただければ、泳ぎ方を知らないのにいきなり海に放り投げられ、さあ泳いであがって来い、という感じの強烈なトレーニングであった。講義が終ると横の女子学生がわからないことがあったら何でも聞いてくださいね、という優しい言葉をかけてくれた。3時間休むことなく話し続けた (中休み10分ほどあったが) 先生の方は、11月初めにはラテン語のフランス語訳、ならびにフランス語のラテン語訳の中間試験をしますから、と非常に元気がよい。

これだけのハードな講義の後、なぜか非常にすっきりしていた。一種のカタルシスだろうか。先生お勧めの教科書を仕入れに本屋に入った。あるのは古本だけ。もう出版されていない本ではないかという。そうだとすれば酷い話である。仕方ないので、ページの補強のためにテープが張ってあり、書き込みやメモ用紙まで残っている生々しい本を買うことにした。新品の6割の値段がついていたので、このぼろぼろの状態では半分以下の値段じゃないと駄目でしょうと店員に話しかけると、何を思ったのか彼は値段のシールを剥がし、私の言い値を打ち出した新しいシールを貼ってくれた。言ってみるものである。Gilbert Josephでのことであった。

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その日のうちに書いておかないと、初日も何事もなかったかのように後で思うことは間違いないので、最初の印象を記憶に留めるために今日敢えて書いてみた。



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