samedi 20 octobre 2007

最初の一週間



昨日もメトロは fortement perturbé であった。前日よりは待っている人は多いものの、おそらく来ないだろうと決め込み外に出る。ところがタクシーもつかまらない。大学に電話しても出ない。結局今日もお休みと勝手に判断して、歩いていて行き当たったパリ第5大学のビブリオテクで今日予定されていた本を読む。異分野のせいか、全く頭に入ってこない。こちらに来てやっていることは、今まで使われていなかった頭の筋肉を解すことのようだが、本当に解れるのだろうか。

今週の出来事である。その日、教室の外で講義を待っていた私は、中から学生が出てきたので中に入った。しばらくして老教授が入ってきて話を始めた。劇場で芝居を演じているようなその話し方に感心して聞き入っていた。哲学者とはこうあらなければならないなどと思いながら。ところがいくら経ってもその老教授の言っていることがわからない。自分の選考するコースであれば、半分くらいはわかると思っていたのだが、ここでの話は全くわからないのである。聞いていると、カントの 「純粋理性批判」 を例に引いたりしている。10分くらいしてから、これはひょっとするとどこかに迷い込んでしまったのではないかと気付き後ろの女子学生に聞いてみると、やはり全く関係のないコースであった。30分早く教室に入ったことに気付いたのは、その講義が終わってからであった。

それにしても分野が違うとこうもわからないものかと、ほとほと感心していた。アメリカに最初に行った時、英語が速いのと日本で聞いていたのとは全く違う英語が話されているという印象を持ったことを思い出した。今まさに、日本で聞いていたフランス語とは全く違う言葉が話されていると感じている。アメリカでの経験では、これが解消されるには4年掛かった。フランス語のこれまでの経験と年齢を考慮に入れると、それが何年になるのか想像もできない。言葉のことを考えると、早く時が経ってほしいという気持ちが強いが、こればっかりはじっくり待つしかなさそうだ。

今日休んだせいか (まだ講義があったのかどうかわからない、いつものように自分で決め込んでいる) 何とも後味が悪いのだが、専門が始って1週間が経過した。率直な印象は、処理能力を超えた情報が流れ込んでくる。処理能力を超えたものに目を通さなければならない。本当にありがたい環境に身を置かせていただいている。髪が抜け、目が飛び出すくらいであればよいが、体が壊れないことを祈るばかりである。week-end がなぜあるのか、身に沁みてわかるようになっている。

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先日、カラープリンタに手を焼いているという話を書いたが、まさにお金をどぶに投げているような気がしてきて、街を歩いている時に白黒のレーザープリンタを仕入れることにした。いつもの咄嗟の出来事であった。これとカラーを使い分けるということで自分を納得させている。少し気分がすっきりしている。



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