mardi 25 mars 2008

イディール Idir とコリューシュ Coluche


メトロにガンジーと並んでこの人の写真が大きく出ている。その顔に馴染みがなかったので、横に坐って待っていた方に聞いてみる。Idir という名前を綴ってくれた。

Idir (1949- ) site officiel

アルジェリアの北部、カビル Kabylie で生れたベルベル人と 紹介されている。ベルベル人としての誇りを持って、その文化を紹介する人生をこれまで送ってきたようだ。同じ出身であるジダンの中にもその誇りを見る思いがする。この芸名はカビル語で « Il vivra » (生き延びる) という意味があるという。今は立派な体躯に恵まれているようだが、生まれた時の状態を想像させる名前である。早速YouTubeを見てみたが、民族色の強 い音楽で懐かしさと底から湧き上がってくるような生命力を感じる。マグレバンへの思慕をさらに強めてくれるかのようだ。

YouTube : 1, 2, 3

------------------------------------

この話にはその後が待っていた。賢犬様からこの写真の人物は喜劇役者のコリューシュColucheではないのかとのコメントが入ったからだ。私も実際にイディールさんの映像を見て違和感を持っていたが、いつもの癖でそのままにしておいた。今しがた明日の写真を選ぼうとしてファイルを見ていると、このポス ターを撮った時のものがいくつかあり、その中に彼のことを説明している文章が写っているのが見つかった。写真の主は賢犬様のご指摘の方と言って間違いなさ そうである。フランス人であれば知らない人がいないと言われている方のようなので、私が聞いた相手はひょっとするとフランス人ではなかったかもしれない。 先日の論理学の話ではないが、一人からの情報だけでは真実に辿り着かないことがあるという教訓だろうか。いずれにしても賢犬様のお陰で私の方もすっきり し、しかも新たに二人の方を知ることになった。

  Coluche (28 octobre 1944 - 19 juin 1986)

wiki によると、下劣・野卑にはならないぎりぎりの芸で社会のタブーやモラルを攻撃した挑発者だったようだ。1970-80年代には映画にも出演するようにな り、1984年にはセザール賞の最優秀男優賞を受賞。1981年の大統領選にも出馬したが、側近が暗殺され選挙戦から退く。その年の暮れには離婚。酒と薬に溺れ、鬱が襲うようになる。

彼をさらに有名にしたものに、貧しい人に食事をという Les Restos du Cœur心のレストラン) の運動がある。彼の言葉、« Je ne suis pas un nouveau riche, je suis un ancien pauvre » (私は成金ではなく、元貧乏なのだ) にその根を忘れない気持ちが表れているようだ。その立ち上げをした数ヵ月後にカンヌ近くでバイク事故のため亡くなっている。41歳の若さであった。



Aucun commentaire:

Enregistrer un commentaire