jeudi 29 novembre 2007

前期の終わりを意識して



昨日はこちらに来て初めて試験のようなものがあった。FLE (Français langue etrangère) と呼ばれる外国人学生用のクールでの中間試験である。始る前に法科の学生さんに聞いてみたところ、期末試験と同じ重みがあるという (50%+50%)。今朝カフェに寄ってノートに目を通しただけだったのでどうなることやら、という感じで試験になってしまった。問題は言語についてのエッセイ300語とこれまでに習った論理的な話の展開に必要となる表現についての問が4題ほどで、1時間半。準備の有無は余り影響のない問題であった。

今、目の前に立ちはだかっているのが、前期のまとめになるミニ・メモワール。自分の中での提出期限は年内だったが、確かめてみるとクリスマス休暇が終ってから、つまり新年の講義が始ってからでよいとの話を聞き、一気に気分が晴れてきた。これまでの蓄積がなく、まだ2ヶ月の段階でまとめなければならないというのは、大変なことである。しかも、あるクールでは担当の先生が途中で替わり、そのクールには2人の担当教官がいることが判明。つまり、そのクールでは2つのまとめをしなければならないことを知ったばかりなので尚更である。いずれにしてもこれから焦点を絞り、ゆっくりと書き始めなければならない。この世界の第一歩を歩み始めているところと言ってよいのだろう。

昼、サンミシェル通りを歩いている時、クールの場所が急遽変わったという電話が秘書から入る。始る10分前である。急いで新しい場所に向かう。入ると女子学生が2人しかいない。そのうちのひとりが、先生には連絡が行っているのでしょうね、などと話していたので少しだけ言葉を交わす。ミニメモワールのこと、講義のやり方などなど。以前から気なっていた Powerpoint (フランス語では 「プワポイント」 と発音するようだ) を使わないことについても話題にしてみたが、他の人文系でもあまり使わないようだ。また、この先生は英語の論文しか読まないのだから英語でメモワールを書いたら、などと元気付けてくれる。なぜかわからないが、2人とも私が質問すると頬を赤く染めていた。

夜、少し遅れてENSのクールに向かう時、ボンソワールという声が横から聞こえる。前回も遅れてきて私のノートを見せてくれと言ってきた学生であった (少しは為になったのだろうか)。自分が最後のひとりでなくてよかったと言って、これまでと違う通路を教えてくれた。彼は講義を聞きながらその内容を素早くパソコンに打ち込んでいく集中力の持ち主である。どんなことでも声を掛け合うと自分の中にある変化が起こる。幸いなことに、これまでのところはすべてがポジティブなものである。

夜のクールでこれまで使っていたノートが終わりを向かえ、2冊目に入った。こうして訳のわからない文字で溢れているそのノートを眺めていると、掛け替えのない宝物のような愛おしさを感じるから不思議だ。こんな感情が湧いてくるのも生れて初めてのことかもしれない。そこには歴史に埋もれた (より正確には私の意識には上っていなかった) 人びとの歩みが鏤められている。その道に人生を賭けている方々からの生の声が、これから過去を掘り起こしていく上での貴重な道標として詰まっているということをはっきりと感じているからこそ生れる感情なのかもしれない。



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