vendredi 16 novembre 2007

"L'Homme sans âge" de Francis Ford Coppola



メトロのストが続いている。 昨日は3-4本に1本くらいの割合で動いているかもしれないと楽観して出かけてみたが、私が必要としているところは Service nul であった。仕方ないので快晴の街を少し散策してから帰ることにした。いつものように講義はないものと決めてかかっている。これで今週は5連休という何ともありがたい?ことになりそうである。

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スト情報を知るために Le Figaro をサーフしている時に、フランシス・フォード・コッポラインタビュー記事に出くわした。読んでみると、私の標的にぴったりの映画を10年ぶりに作ったことを知る。しかもこの映画の元になったのは、この3月モンマルトル散策の折にFから紹介された作家・宗教学者ミルチャ・エリアーデ Mircea Eliade (9 mars 1907 à Bucarest - 22 avril 1986 à Chicago) の作品であるという。何という仄かなつながり。

 "Youth without youth" (仏題: L'Homme sans âge) 
  (このサイトの Gallery で昔のブカレストが見られます)

 Directed by Francis Ford Coppola (April 7, 1939 -)
 Cast: Tim Roth, Alexandra Maria Lara, Bruno Ganz

俳優のブルーノ・ガンツについてもこのリンクでわかるように、昨年春に初めて知ることになった人である。

あらすじを読んでみると、次のようなことになる。

1938 年のルーマニア、言語学の老教授が雷に打たれ、奇跡的に生還し30歳も若返る。彼の頭脳は10倍の能力を持つようになり (ses facultés mentales décuplées)、人生の目標であった言語の起源についての研究に打ち込む。しかし、このことによりナチやアメリカから目をつけられ、彼は身分を変え国から国へと逃亡。その中で永久の愛 (son amour de toujours) を見つけることになるのだが、、、

コッポラはインタビューの中で次のようなことを言っている。

"Rêver, penser, c’est le sujet même du film. La manière dont nous voyons nos vies est probablement fausse : nous sommes prisonniers de nos façons de penser. L’Homme sans âge est une fable, une parabole qui permet de s’interroger sur notre rapport au réel."

 (夢見る、考える。それがこの映画のテーマでもあります。われわれが人生を見る時、その見方は間違っているかもしれない。それは自らの考え方の虜になっているから。この映画は現実との関係を自省するための寓話のようなものです)

LE FIGARO: Il est question de réincarnation. Vous y croyez ?
 (この映画は転生を扱っていますが、あなたは信じますか)

"Pas particulièrement et je n’en ai a ucune expérience. Mais je pense qu’on n’a pas les yeux pour voir toute la réalité. Je ne crois pas à la réalité matérielle. On s’en contente le plus souvent parce que c’est pratique : il y a le jour et la nuit, le passé et le présent, le bien et le mal. Mais c’est une apparence. Je crois davantage à une certaine unité de temps et d’émotions. Le temps et la conscience m’ont toujours passionné, parce que ce sont des questions que pose le cinéma. Maintenant, je pense que le temps est une invention de la conscience. Et la conscience est déterminée par le langage, qui donne forme à notre pensée. Il y a tout cela dans L’Homme sans âge."

 (特に信じていませんし、そのような経験 は全くありません。しかし、すべての現実を見るためにこの目があるとは思っていません。物質的な現実を私は信じないのです。昼と夜、過去と現在、善と悪など、それは便宜的なものとしてほとんどの場合済ませていていますが、それは一つの見掛けです。私はむしろ時間と感情の統一を信じています。時間と意識にはいつも熱中してきました。それはこの映画が問いかけている問題でもあるからです。今のところ、時間は意識が発明したものであると考えています。そして意識はわれわれの考えに形を与える言語によって決定されます。この映画にはそのすべてがあります)

このところ Radio Classique で、コッポラの映画音楽がドイツ・グラムホンから出ます、という宣伝がその印象的な音楽を背景に流れているのには気付いていた。今、耳を澄ますと確かに "L'Homme sans âge" と言っているのが聞こえる。この映画を通していくつかの断片がつながり、嬉しい気分である。フランスでの上映状況を見てみると始ったばかり。彼の言葉や音 楽を聞いていると期待が膨らんでくるが、それが満たされるのかどうか、近いうちに見てみたい。

予告編はここで見ることができます。




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