samedi 24 novembre 2007
S 先生との再会
今日は、私が日本を出る前にお話する機会のあったS先生がパリを訪問され、是非とのことで午後からご一緒させていただいた。まず今日の写真のジュゼッペ・アルチンボルド (Giuseppe Arcimboldo, Milan, 1527 - Milan, 1593) の展覧会を目指したが、長蛇の列ですぐに諦めルクセンブルグ公園周辺を散策した後、近くのカフェで身を暖める。パリの町が美しいこととこのような街を構想した力に感心されていた。それから先生思い出のレストランに向かったが、まだ始まっていないようだったので別のところでの夕食となった。
先生とは人生に対する捉え方で共通するところが多く、話がよく咬み合う。今回もなぜ哲学をするのか、究極の狙いは何か、本来はすべての学問の根にあるべき哲学が日本では蔑ろにされているが、哲学という訳もよろしくないのではないか、日本の哲学で使われる言葉 (訳語など) も人を遠ざける原因になっているのではないか、自然科学に技術が必須なように哲学をするためにもテクニックが必要なはずで、まずそれを学ぶことが先決ではないのか、それを突き抜けたところに何か開けるものがあるのか、などなど話が延々と続いた。そして最後は、なぜわれわれはここにいるのか、その意味は何か、それを知ることが究極の問いなのだろうというところに行く。
しかし、それは答えが出る問いとは思えない。この行為は一見何の役にも立たないように見える。役に立たないという判断はある立場からのものでしかないのだが、、。しかし、それをすることによって得られるものの大きさもまた想像を絶するような気がする。それこそ、この世に生を受けたもののすることではないのか。こんなところが今日のまとめということになるのだろうか。私の方の視界が晴れ、もう少し広がった時にまた意見を交えるということでお別れをした。充実した一日となった。
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