samedi 29 septembre 2007
コース説明会 La journée de pré-rentrée
今週、大学の La journée de pré-rentrée (新学期前の説明会) の案内があったので、まだ正式の学生ではないのだが顔を出してみた。哲学科全体で3時から1時間。場所を変えての専攻の説明が6時から1時間半くらいだっただろうか。バシュラール講堂で全体説明を聞いている時、なぜか静かに汗が流れてくるのを感じる。久しぶりに脂汗という言葉を思い出していた。こんなことはこれまであっただろうか。記憶の彼方に行ってしまった昔にはあるはずだが、、。古い講堂なので人が歩くと床が鳴り、しかもマイク無しなのでそれでなくても聞こえないフランス語が益々聞こえなくなる。これだけ集中してフランス語を聞いたことは、このところはないかもしれない。これからこれを毎日やることになる。当然その予定で来ているのだが、そこに身を置いてみると空恐ろしくなる。
こちらに来る前、同じ仕事場のO氏が私を訪れ、彼の友人のことを話してくれたことを思い出した。アメリカ東海岸にある大学の文系の大学院に留学したその友人によると、毎日数百ページの本を読み、それについて翌日ディスカッションするということが最後まで続いたという。それを聞いた時には大げさな、と思っていたが、こちらのプログラムを見てみるとその話が必ずしも誇張ではないような気がしてきている。日本語でも大変だと思うが、こちらはフランス語である。さらに朝8時からの講義があったり、夜も8時くらいまでの講義は普通のようだ。
日本では好きな時に気分の赴くまま味わっていたが、どうもこれからは食事の山に後ろから頭を押され無理やり口に入れられるような、あるいは豪華客船で周りの景色を楽しみながらの航海だと思っていたのが、小船で嵐の海に乗り出すような、そんな印象がある。船酔いは間違いないし、第一生きて再び上陸できるのか、はなはだ怪しい。先日のFの言葉は、実は労わりの understatement だったのかもしれない。ただ、専攻説明会の中である先生が自らのコースを "intellectuellement stimulant" な道行になるでしょうと説明していたが、そう感じることができれば素晴らしいのだが、と率直に思っていた。日本の諺にもあるように、"trop" stimulant でないことを願うのみである。
ここまで非常に快適に感じていたのは、おそらく人生で初めて全くの義務なしの1ヶ月に及ぶ夏休みの中にいたからだということに気付く一日となった。これからの行く末は、フランス語をどれだけ分かり使えるようになるのかとすべての基礎となる体力にかかっているようだ。これから研究計画をまとめ、月曜に学科に提出、火曜に大学の入学手続がある。特に研究計画が認められないと学科の学生になることができない。その意味ではまだ旅行者にしか過ぎない。
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